どうも、最近ようやくチューブスクリーマーの良さに気づいた萩原悠です!

いや〜ここまでTS系に触れずに生きてきたことに後悔してますね。

皆さんは好きですか?

IbanezTube Screamer

今年(2019年)で40周年となったチューブスクリーマーシリーズ。

これからTSデビューしようとすると意外といろんなモデルが出ててよくわからない!

って方のために、簡単にですがまとめてみようと思います。

TS808?

TS9?

NUTUBE?

MINI?

一挙紹介します!

808 4

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TUBE SCREAMERの始まり


そもそもTUBE SCREAMER(チューブスクリーマー)とは、

Ibanezが1979年に発表したコンパクトオーバードライブエフェクターの名称で、

最初期モデルの正式名称はOverdrive Pro TS-808 TUBE SCREAMERです。

(ごく最初のモデルだけTS-808とハイフンが入っていて、後期ではTS808になっているようです)

当時はエフェクターといえばファズかワウくらいしかなかった時代。

オーバードライブという名前が使われ始めてはいましたが、

その実結局はファズ的な歪み方をしていました。

たとえば同じIbanez社でも1970年代に生産していたOD-850なんて今思えばマフ系サウンドです。





足元のエフェクターで歪ませるならファズくらい過激でないとおもしろくないと言われていた時代ですので、

BOSSのOD-1と並びあまり歪まないエフェクターとして当時は人気が出ませんでした。

それもそのはず、

TS-808は単体で激しく歪ませるためのエフェクターではなく、

アンプをプッシュアップして歪みを増幅させる目的で作られたのでした。

そう、チューブアンプをスクリーム(叫!!)させるためのエフェクターだったんですね。

しかし今みたいに簡単にググって調べられる時代でもないし情報が伝わりにくいため、

製作者側の意図がギタリストたちにうまく届かずに不当な評価となっていました。

じわじわと「あのプロのギタリストが使ってる!」とかで話題になって真似して買ったとしても、

プロのギタリストは大型のアンプを持ってるけど素人はそんなもの持ってるはずもなく、

どうにも同じ音が出ない、あれれ、あんまりいいエフェクターじゃないじゃん。

そんな感じだったそうです。

スクリームするチューブがない!!

そうして、初めはうまく使える人が少なかったTS808ですが、

そんなチューブスクリーマーを一気にメジャーに押し上げた人と言えば、

やはりスティーヴィーレイヴォーンではないでしょうか。

TSといえばスティーヴィーレイヴォーン





今でもチューブスクリーマーの音を形容するときに必ず最初に上がるのがギタリスト、スティーヴィーレイヴォーンの名です。

彼のロックブルースなフレージングやサウンドがTSにベストマッチし、

それ故にフォロワーたちがこぞってチューブスクリーマーを使い始めたと言います。

チューブスクリーマーのサウンドと使い方





そんなチューブスクリーマー、肝心のサウンドはどうかと言うと、

まず何度も書いている通り、そんなに歪みません。

単体でジャズコーラスなんかにつなぐのもまぁ悪くはないのですが、

やはり多少なりとも歪むアンプに繋いで使うのが正解だと思います。

TSシリーズ全般に言えるのは、低域と高域が減衰すること。

これは現代のハイファイ志向な方向性からすると全然デメリットにも思いますが、

TSはなんと不思議な、この中音域にキュッとまとまったサウンドがなんともオイシイ!

ギターの美味しい部分だけを残したという感じになります。

そしてキメの細かい滑らかな手触りなサウンドはいつまでも弾いていたくなるような質感です。

ズンズンした低域もギャリギャリした高域もありませんが、

それ故に中音域の滑らかさが最大のウリと言えます。

たまらん!

また、他の歪みエフェクターとの大きな違いとして、

原音がミックスされている“という点が挙げられます。

歪んだ音だけが出力されるのでなく、

歪んでない音もうっすら混ざって聴こえるという不思議な状態。

これがのちに”TS系“と言われるサウンドの大きな特徴になっていて、

どこかうっすら聴こえる元音の残り具合、これがピッキングのニュアンスを殺さないというTSならではの弾き心地になっています。


チューブスクリーマーの各モデル


1979年のチューブスクリーマーTS808の登場以来、

何度かのモデルチェンジを迎えています。

並行展開していったわけではなく、どんどん新しいモデルに作り変えていったわけですね。

その中で再販したモデルがあれば今では手に入らないモデルもあり、

つまりはひとくちに”チューブスクリーマー“と言ってもいろんなモデルがあるわけですね。

ここでは、現在手にはいるチューブスクリーマーだけを紹介しようと思います。


TS808






こちらが初代のTS808

の、復刻版です。

1979年に販売開始されたTS808は実は1982年には生産終了になっているのです。

現在販売されているのは2004年に再生産が始まった復刻版で、

まぁ当然音が全く同じとは言えないのですが、できる限りの再現がなされています。

(というより、40年前のエフェクターなんてもうパーツの劣化が進んじゃってて厳密なる「コレが真のTS808の音だ!」というのが再現出来ません)

このあと紹介するTS9と並んで現代のチューブスクリーマーラインナップのスタンダードとなっているモデルで、

こちらの方がより暖かいサウンドです。

808 3
見た目的には、フットスイッチ部分が他のエフェクターではなかなかみないキャラメルスイッチになっているのが特徴。


TS9






現行TSシリーズもうひとつのスタンダードがこのTS9。

TS808に比べて少しカラッと明るいサウンドが特徴で、

つまりブーストしたときの音抜けが欲しい場合はこちらのTS9を選ぶのが良いでしょう。





TS系と言えばTS808の音しか印象になくてそのヌルっと感が嫌、だけどいい具合にブースト出来るオーバードライブを探している

そんな方は是非TS9を試してみてください!

硬いけれど耳に痛くないサウンド、ハマってしまうかもしれませんよ。

こちらもTS808と同じく、1982年に販売開始された初期モデルではなく、

1993年に発売した復刻版が現在手にはいるモデルです。

TS系の復刻版第一弾がコレというわけですね。

TS9DX






TS9をベースに、より現代的に使えるように作られたフルアーマードTS9(←意味わかんねwガンダムっぽく言ってみたかっただけ)

これまでブルース系ギタリスト向けとされていたチューブスクリーマーが1998年にハードロック界隈のギタリスト向けにリリースしたモデルで、

Turbo Tube Screamerと名付けられたTS9DXは、

通常のTS9モードに加え、

ザラつきを増した+モード、

中音域をさらにブーストしたHOTモード、

そして低域をぎゅっと強めたTURBOモードの4モードスタイルです。



ハードなバッキングはTURBOモードで、

弾きまくるソロはHOTモードで。

現にウリジョンロードやジョンペトルーシなどが愛用していたようで、

幅広いジャンルにマッチする現代的フルアーマーTSです(また言ってる。)。


NTS Nu Tube Screamer






2018年、KORGの極小真空管技術Nutubeとのコラボで生まれた最新のTS。

なんと言っても本物の真空管が入っていることが特徴で、

これまでのTS以上に暖かいサウンド。



歪みの量もTS系の中では幅が広く、

ドクリーンからそこそこ深い歪みまで作ることが出来ます。

また、通常の9V電源駆動だけでなく18Vの入力も対応しているため、

ヘッドルームが広くクリアなサウンドになります。

他に面白い点としては、TSの特徴である原音のミックス、

このNTSではミックスバランスを調節出来ます。

中央から左に回すと原音のバランスが増え、右に回すと原音が消えていきます。

もちろん原音だけにしたとしても絶妙にNuTubeテイストが付加されるため、

なんならブースター、プリアンプとして使うという贅沢なことも出来ます。


TS mini






最後は小さい筐体のチューブスクリーマー TS mini

最近IbanezがリリースしているminiシリーズのTSで、

お値段も急にすごく安い!





サウンドはTS808よりかはTS9系な印象、

ちょっとシャっとしてますね。

でもやっぱり若干太さは失ってる感じ?

しかしこのサイズこの価格でTSサウンドが手にはいるわけです。

ブースターとしてのTSであるなら十分すぎると思います。

ちょっとしたセッションにはギターケースの中にこれ1台だけ入れて参加するとか、

そんな機動性も含めるとより魅力的に見えてくるのではないでしょうか。


他社製TS系


Tube Screamerはオーバードライブ界隈での一大スタンダードとなり、

そのサウンドを模したエフェクターも多く販売されています。

例えばわたしも愛用しているFulltoneのFULL DRIVE。





(わたしが使っているのは前身モデルのFull Drive2です)

高級なTS系ということで販売されたFull Driveは、

多くのギタリストがこぞって使ったことで大ブームになり、

「TS系を求めている人がまだまだいる」

ということを各メーカーにも知らしめ、

さらなるTS系ブームを作ったモデルではないかと思っています。


また、Electro Harmonix社のEast River Driveもリーズナブルながらも完全にTSサウンドです。





特にTS9系の明るめのサウンドで、なんなら見た目がかっこいい分わたしはこっちの方が欲しいかもしれないww

それくらいに”まんまTS“です。

モディファイに始まり、今では高品位なオリジナルエフェクターを多数排出しているJHSからは、

なんと歴代TSサウンド全員集合なスゴいTSペダルがあります。





紹介していくとキリがないですが、

現代のTS系ペダルたちはかなり良く出来ていて、

わたしはブラインドテストされたらどれが本物のチューブスクリーマーだかわからない自信がある!(かっこわるい。)

なので、なんなら本家のTSにこだわる必要がないとも言えます。

が、やっぱりどうせだったらコピー品ではなく本物が欲しいという気持ちもありますよねぇ。

悩む。

MaxonのOD-808との関係


808 1
Tube Screamerを思い出すとき、なんだかすごく似たモデルが頭に浮かんだりしませんか?

そう、それがMaxonOD-808やらOD9などのODシリーズ

ODってのはオーバードライブの略でしょうね。

筐体の色や素材がまぁ似てる!

おまけにサウンドも……めっちゃ似てるやん!

はい、これは時代背景のお話をもう一度する必要があって、

そもそもチューブスクリーマーの販売が始まった当初、

Ibanezは日伸音波製作所という日本の長野県松本市の工場に生産をさせていました。

で、この日伸音波製作所は独自にMaxonというエフェクターブランドも立ち上げていて、

つまりはIbanezは日伸音波製作所にOEM製作の依頼をしていた、ということになります。

こんな背景から日伸音波製作所は中身が全く同じエフェクターをIbanezブランドとMaxonブランドで作っていた

ということになります。

なんだかスキャンダラスだけどこれ大丈夫か?ww

なんとなくの住み分けとして、Maxonは日本国内での販売を主として、

Ibanezは海外への輸出が主なルートではありました。

が、もう一度言いますが、中身は全く一緒です。

いやもう中身だけじゃねぇか、外身も名前もほぼ一緒ww

Ibanezのエフェクター製造は2002年より自社工場で行うようになったため、

それ以降ようやく完全なる別ブランドとして歩むことになりましたが、

どちらも当時の808や9を復刻生産しているため、

相変わらずわかりにくい感じになってしまっています。

日本国内でギタリスト歴の長い方はTube ScreamerといえばMaxon!みたいな認識の方が多いのはこのためです。

(厳密にはMaxonでは”Tube Screamer”という名前は使っていません)


まとめ:TSを持とう!


ギタリストたるもの、一度はTS系の道を通っておくことをオススメします!

わたしはTS道を歩くまでに10年以上かかってしまいましたが、

やはり一度TSを使いこなしておくと、ギターがうまくなりますね。

手元の微妙なニュアンスでギターが歌ってくれるようになるので、

フレーズもピッキングも洗練されてくるというか、

今までガリガリに歪ませてたり、レンジの広いサウンドばかりを使ってきたのをそこそこ後悔しています。

ソロのときにアンプや別のエフェクターをブーストさせる目的に使ってもよし、

なんならずっとかけっぱなしにするもよし、

ワンランク上のサウンドになるのを感じる縁の下の力持ち系エフェクター

それがチューブスクリーマー!

是非みなさんも導入してみてください!


最後まで読んでくれてどうもありがとう!

萩原悠(Twitter→@hagiwarau)でした!